東京都葛西臨海水族園
東京デザインセンター (TDC) レビュー
巨大なガラスのドームが海の上に浮かんでいる。
奇跡の建築ともいわれる葛西臨海水族園。開園から33年、6000万人を超える入場者を数える日本最大級の水族館である。東京湾と一体になった景色を作ろう、見せるべきものは建物ではなく魚や生き物たちだからと、設計したのはニューヨークのMOMAも手がけた谷口吉生。
ゲートを潜り階段を登ると現れるのは巨大なガラスードーム。足元は巨大な水盤となり、エッヂは消され東京湾とつながって海と一体となった空間である。
入り口はあたかも海に潜るように下るエスカーレーター。降りると600種8万五千点のもの生き物が飼育展示されている。圧巻は建物の中心にあるアクアシアターと呼ばれるドーナツ型の大水槽。そこには世界で初めて展示に成功したマグロの群れが泳ぐ。
動きながらシーンが変わって行くように組み立てます。あたかも旅行するように、動線に沿って様々なシーンが展開するように、と谷口は言う。それは葛西臨海水族園が単なる建築ではなく、臨海公園全体と一体となった空間と海を体験する「園」であり、都民のために作られた「楽園」なのである。
建築:株式会社谷口建築設計研究所
受賞歴:BCS賞、公共建築賞、毎日芸術賞
- 推薦団体
- 施設名
- 東京都葛西臨海水族園
- 住所
- 〒134-8587 東京都江戸川区臨海町 6–2–3
- 電話番号
- 03-3869-5152
- 竣工年
- 1989年3月